「コーヒーにブラ○ト~♪」 「ク○ープを入れないコーヒーなんて」
でおなじみの粉状ミルクがポーションタイプのクリームに代わり
コンビニやファースドフードなどいたるところにおいてあります。
さて、このポーションクリームの作り方と原材料を調べてみました。
ポーションクリーム
安い&使い放題 「コーヒーフレッシュ」にホンモノのミルクなし

コーヒーフレッシュいろいろ
●メロディアン★ミニ 低脂肪コーヒーフレッシュ
●ニュースジャータP 褐色の恋人
●褐色の恋人スジャータ 純乳脂肪18% 北海道産生クリーム使用
●ドトールコーヒーフレッシュ

 

コーヒーにミルクといえば、小容器に小分けされて便利な、通称「コーヒーフレッシュ」(和製英語)が定番。原材料は、植物油に水を混ぜて乳化剤などの添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたものがほとんどで、フレッシュさのかけらもない。ドトールやファミレスでは山積みの使い放題、スーパーでも安く売られているが、生クリームだと勘違いしている人も多い。


【Digest】

 ◇コーヒーフレッシュのできあがり
◇大ヒットしたコーヒーフレッシュ
◇コーヒーフレッシュと牛乳で実験
◇業界トップ メロディアンに聞く
◇乳化剤として合成界面活性剤乳化剤を使用
◇脱脂粉乳は入っている
◇ホンモノは見た目が悪い
◇小容器のフレッシュは必ず乳化剤入り
◇大阪では「フレッシュ」=コーヒーミルク
◇「牛乳だけのものをつくって」
◇乳化剤がないと賞味期限が…
◇知った上で、今後使うか、使わないか 


 わたしは、コーヒー党ではなく、進んでコーヒーは飲まない。ミルクも、生クリームや牛乳だとけっこう入れるが、小容器に入ったコーヒーフレッシュは、入れたり、入れなかったり。ミルクティーを頼んで、このコーヒーフレッシュがついてくるとゲンナリする。ドトール、マクドナルドだけでなく、普通の喫茶店でも、こんな経験は多い。

そのコーヒーフレッシュのことが、安部司著『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)に出ていた。

〈食品添加物の元トップセールスマンが明かす食品製造の舞台裏。
廃棄寸前のクズ肉も30種類の「白い粉」でミートボールに甦る
コーヒーフレッシュの中身は水と油と「添加物」だけ
虫をつぶして染めるハムや健康飲料
知れば怖くて食べられない!〉(本の帯より)

食品添加物が見せる“食のマジック”を実演しながら、食品添加物の情報公開を安部さんは訴える。

 この本が、売れている。
「安さ、便利さの代わりに、私たちは何を失っているのか。」を私たちに問いかける。

◇コーヒーフレッシュのできあがり
〈「コーヒーフレッシュ」は、牛乳(ミルク)や生クリームからつくられてはいません。
植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたもの--それがあの小容器の「コーヒーフレッシュ」の正体なのです。植物油を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりもはるかに安くできる。
だから「使い放題」にできるのです。〉
(同書「コーヒーフレッシュの正体とは!?」より)

〈普通の状態では水と油は混ざりません。
そこで添加物の登場です。
まずは「乳化剤」を使用します。乳化剤というのは、界面活性剤のこと。これを入れると、あっという間に油と水が混ざって、ミルクらしく乳化します。

 しかしこれではミルクらしいとろみがない。だから「増粘多糖類」でとろりとさせます。乳化剤も増粘多糖類も「一括表示」ですから、何種類使われているかわかりません。

 仕上げは「カラメル色素」。ごく薄く茶色に着色することで、いかにもクリームらしい色合いになります。日持ちさせるために「pH調整剤」も入れます。クリームの香りの「香料」も入れます。〉
(同書「水と油と『白い粉』でコーヒーフレッシュができる」より)

<実演する安部司さん>
「これサラダ油なんですよ。水にサラダ油を入れるでしょ。僕と嫁さんの人間関係。分離してるんですね、愛が無い。牛乳からとった添加物で、乳化剤という言い方をする。もう1つ乳化剤、洗剤みたいなもんですわ。界面活性剤、とろとろにするための添加物。口当たりを重くするためのでんぷん。これらを、本当はすごい機械で混ぜる。(実演でコップに材料を入れ、軽く混ぜて)でも真っ白になるでしょ」

<観客の女性>
「ミルクでできてると思ってた…」

イマ解き「食品添加物が作る“食のマジック”」2006/02/17放送より)

◇大ヒットしたコーヒーフレッシュ

コーヒーフレッシュの成分

 コーヒーフレッシュは、もともとメロディアン株式会社に端を発する商品名だったものが業界全体で採用され、一般用語となったようだ。

はじめ物語「ポーション容器入り フレッシュミルク メロディアン」によると、創業者の中西喜三郎さんは戦前に大阪府八尾市内で牧場を経営。1958(昭和33)年に、牛乳メーカー「日興乳業」を創業。牛乳メーカーとしては最後発組だったため、ターゲットを家庭用の宅配牛乳ではなく業務用に定めた。

 三角形のテトラパック入りのコーヒー用「メロディアン・ミニ」(10ml)を開発し、1976年に販売を開始。1977年6月にポーション容器入りの「コーヒーフレッシュ」(商品名)を発売。年末には工場をフル稼働しても生産が追いつかないほどの大ヒットへ。

●創業/1958(昭和33)年
●創業者/中西喜三郎
●創業地/八尾市
●現社名/メロディアン株式会社

上:コーヒー+コーヒーフレッシュ(ニュースジャータp)
下:コーヒー+低温殺菌牛乳(山地酪農牛乳)

◇コーヒーフレッシュと牛乳で実験
スジャータ、メロディアン、ドトールで売られているコーヒーフレッシュをなめてみた。ミルクっぽい味がする。ネトッとしていて、おいしくはない。

コーヒーメーカーで入れたコーヒーに、それぞれを入れてみた。コーヒーフレッシュを入れると、同時にコーヒーと混ざりあった。4種類試してみたがどれも同じ。混ぜるためのスプーンもいらない。

 牛乳でも試してみた。牛乳は、「山地酪農牛乳」。低温殺菌、ノンホモ、放牧牛だ。こちらは混ざり合わず、二層になったのでスプーンで混ぜた。

4種類は以下。

●商品名:メロディアン★ミニ 低脂肪コーヒーフレッシュ
名称:植物性油脂クリーミング食品
原材料名:植物油脂、還元澱粉糖化物、乳製品、砂糖、カゼインNa、乳化剤、pH調整剤、セルロース、ポリリン酸Na、安定剤(カラギナン)、香料
製造者:メロディアン株式会社
*脂肪分(当社比)1/2●商品名:ニュースジャータP 褐色の恋人
名称:植物性油脂クリーミング食品
原材料名:植物油脂、乳製品、カゼイン、pH調整剤、乳化剤(大豆由来)、セルロース
製造者:株式会社東京めいらく
*飛び散り防止、品質保護茶色容器使用●商品名:褐色の恋人スジャータ 純乳脂肪18% 北海道産生クリーム使用
名称:乳等を主要原料とする食品
原材料名:乳製品、カゼイン、乳化剤(大豆由来)、pH調整剤、セルロース、安定剤(カラギーナン)
製造者:名古屋製酪株式会社
*北海道産 生クリーム使用 自然な味わい 香料無添加●商品名:ドトールコーヒーフレッシュ
名称:植物性脂肪食品
原材料名:植物油脂、乳製品、砂糖、カゼインNa、乳化剤、pH調整剤、香料、カロチン色素
販売者:株式会社ドトールコーヒー
左:コーヒー+コーヒーフレッシュ(メロディアン★ミニ 低脂肪コーヒーフレッシュ)
右:コーヒー+低温殺菌牛乳(山地酪農牛乳)

 小容器(30ml)の場合、原材料を表示しなくてよいので、こんなものからできていると気づかない人も多いだろう。

◇業界トップ メロディアンに聞いてみる
業界トップシェアで、商品をヒットさせたメロディアン株式会社に聞いてみた。
お客様相談室:0120-328750

--『食品の裏側』という本を読んだんですけど、コーヒーフレッシュに牛乳と生クリームが入っていると思っている(勘違いしている)人も多いと思うんですけど・・・。それに、界面活性剤が入っていることも気になるのですが。

「(本に)メロディアンと指定してあったんですか?」と窓口に出た女性。

--メロディアンとは書いてはいないですけど。コーヒーフレッシュと書いているので、メロディアンはどうなのかな、と思いまして。

「お待ちください」
♪♪
「お電話変わりました。内容物を担当している企画開発課になります」と今度は男性。

--安部さんの『食品の裏側』を読みまして、コーヒーフレッシュのことが書いてあり、その件でご連絡したんですけど。

「どういうことでしょうか?」

◇乳化剤として合成界面活性剤乳化剤を使用
--(コーヒーフレッシュに)ミルクとか入っていると思っていると思うんですよ。内容が大丈夫なのかということと、合成界面活性剤が入っているのでしょうか?

「順を追ってご説明させていただきますね。私どもの商品を使われているということですよね」

--ええ。「メロディアン・ミニ低脂肪1/2」のコーヒーフレッシュがありますよね。

「あれを使われているんですね。ありがとうございます。牛乳成分がまったく入っていないということはないんですよ。商品はお手元にありますか?」

--あります。それを見てお電話しているので。

◇脱脂粉乳は入っている
「裏を見ていただきますと、そこに乳製品という記載があると思うんですよ。脱脂粉乳というのがあるのはご存知ですか。脱脂粉乳を使わして貰っていまして、脱脂粉乳はご存知のように牛乳からできている成分でして、それを使っています。それ以外に植物油など入っています。乳製品の脱脂粉乳をベースに植物油、砂糖、糖類など入れています。コーヒーにきれいに溶けないとダメなので、そのへんで乳化剤がどうしても必要になるんです」

--合成界面活性剤は乳化剤ですよね。

「乳化剤はいろんな種類を使わしてもらっているんですけど、たとえば大豆からとったレシチンを使ったり…..この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。